頭は、「頭が痛い」「頭がしめつけられる」「頭が重い」「頭がぼーっとする」等いろいろな症状を起こします。人間の臓器でこんなにもたくさんの症状を感じる臓器は珍しいかもしれません。
「脳がおかしくなっているのでは?」と思い受診される方が多いと思います。
でも安心してください!「脳は痛みを感じません」。専門的な言葉だと脳には感覚受容器が無いので痛みを直接感じないのです。
例えば、私があなたの脳を針で刺したとします。あなたは何も痛みを感じません。
では、痛みはどこで感じているのでしょう?
それは、神経、血管、膜などの脳以外の場所で痛みを感じているのです。
少し安心して頂けたでしょうか。
では頭痛にはどのようなものがあるのか?
まず脳神経外科医は、頭痛の症状が「命に関わらない頭痛」「命に関わる頭痛」を判断する必要があります。
実際のところ、ほとんどは「命の関わらない頭痛」ではありますが、まれに「命に関わる頭痛」であることがあります。
この判断には画像診断がとても大事です。当院ではMRIを駆使して判断します。
代表的な頭痛の種類をお示しします。
- 筋緊張性頭痛
- 片頭痛
- 群発頭痛
- 脳卒中関連頭痛(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)
1~3は「命に関わらない頭痛」です。4は「命に関わる頭痛」です。
1 筋緊張性頭痛
頭周囲についている筋肉、首、肩の筋肉の緊張、収縮により起こる頭痛です。
2 片頭痛
光や音過敏、悪心・嘔吐等を伴い、日常的な動作によって増悪し、片側性あるいは拍動性の発作的に繰り返す中等度以上の頭痛です。
3 群発頭痛
片方の目周囲や側頭部のきわめて重い頭痛発作です。
痛い側の眼充血、涙、鼻水、発汗多量、眼瞼下垂、縮瞳を伴う頭痛発作です。
4 脳卒中関連頭痛
くも膜下出血、脳出血、脳梗塞に関連した頭痛です。
緊急性が特に高い頭痛として「くも膜下出血の頭痛」です。
「突然の今まで経験したことがない激しい頭痛」を感じた場合はすぐに救急車を呼んで対応してください。
脳出血、脳梗塞に関連した頭痛も麻痺や言語障害を同時に認めた場合はすぐに救急車を呼んで対応してください。